法隆寺に代表されるような日本の伝統的な木造建物をみれば、木の家の耐久性が高いことが分かります。
木の耐久性を損なうのは雨仕舞による「腐朽」やシロアリによる「蟻害」。それらに対策を講じることによって、木の家の耐久性が格段に高くなります。
また、すべての新建材がよくない訳ではありませんが、無垢材に代表される自然素材が時間の中で示してきた耐久性には安心感があります。
1.雨漏りと結露
木の腐朽の主な原因は雨漏りと結露。「水は上から下へ流れる」このあたりまえのことを踏まえながら、雨漏りのリスクが少ないシンプルな屋根形状や深い庇の設置、外壁通気工法による二重の防水層を採用し、雨水の浸入の可能性をできる限り少なくしています。壁内結露については、透湿性耐力面材の採用や外壁通気層の設置により結露を発生させないようにしておきます。さらには、地元材のスギやヒノキを採用するのも、外国からの輸入材や集成材にくらべ腐朽に強い樹種であるからです。
2.シロアリ
薬剤による防御ではなく、建築躯体で防御することに重きを置いています。
シロアリが地面から侵入することができない隙間のないベタ基礎を採用しています。床下換気口を設けない基礎断熱や基礎のコンクリート一体打ちを採用しているのも、シロアリの侵入する可能性を低くするねらいがあります。また土台や柱には、シロアリに強い樹種であるヒノキを中心に採用しています。
床下等に薬剤を散布して5年ごとに薬剤散布を繰り返す方法ではなく、コンクリート躯体での防御とシロアリの侵入の可能性がある箇所のみの薬剤塗布、それと定期的な点検で対応しています。
3.確かな素材
無垢の木、漆喰、畳、紙、石など、昔から住まいに使われてきた素材を使用していきます。これらの素材は長年使い続けられてきたもので、素材そのものの耐久性はもとより定期的なお手入れの方法なども確立されています。そして使い続けるうちに劣化していくのでなく風化していく味わいが増していく、誰もが安心して使用できる「確かな」素材です。
4.定期的な点検のしやすさ
定期的な点検をして、きちっとメンテナンスをしていくことで、長く住み継いでいく住まいにすることができます。設計で心掛けるのは、床下や天井裏など点検をしやすくする点検口や床下の高さを確保しています。そして工務店や職人との協力ももと、定期的な点検と長期にわたるメンテナンスをサポートしていきます。