家何のために家をつくりますか。
家をつくるのは、「家族の幸せ、家族で幸せな時間を過ごすため」。
だから「いい家は、家族の豊かな人生をつくる」。
けして言い過ぎではないと思います。
いい家は、家族で過ごすことがうれしくなる場所、楽しくなる場所、大好きな場所のこと。
家族で楽しい時間、豊かな時間を過ごしていく場所のことです。
長く生きるほど、人生はより美しくなると言います。
毎日の暮らしが一番の幸せになり、積み重ねていく住まい。
心地よいとか、馴染むとか、落ち着くとか、好きだと感じる、小さな時をためていく住まい。
おいしいものはおいしい、美しいものは美しい、うれしいことはうれしい…、とてもシンプル。こつこつ、ゆっくり、“時をためて”いく暮らし。
スマホの奥の日々変わっていく膨大な情報にさまようような生活ではなく、住まいはどっしりと“動かない場所(拠り所)”であってほしとも思います。
そんな家づくりのお手伝いをしたいと思っています。
1.気持ちで考える家づくり
家づくりは「決める」の連続です。
間取り、屋根の形、窓の位置や大きさ、床や壁や天井の仕上げ、照明、冷暖房といった設備…。
決める時のものさしを心地よさで考えていきます。
気持ちいい、居心地がいいといった気持ちをものさし(基準)に、家づくりを進めていきます。
2.気候風土、自然、町… どれにも馴染むようにつくります
一時の思い付きやマーケティングによって作られたものは、時間の経過に耐えらず、しばらくすると「もう古いね」と陳腐化していきます。新しいものより変わらないもの、時間を経た普遍的な“確かさ”を、家づくりの拠り所にしていきたいと考えます。使われ続けたもの、改良を重ねたつくり方、気候や風土から導かれたシンプルな形や工夫などを、素直に家づくりに活かしていきます。
3.気持ちいい自然の素材につつまれ
住まいを構成する素材は無垢の自然の素材を基本としています。
理由は単純で、触れて気持ちいがいいから。
そして昔から使われている安心感があるから。
現在の家づくりには新建材が主流ですが、その理由は経済性や施工性といった作る側の都合で、住む側の視点ではないからです。
4.どこか懐かさがあると 暮らしは落ち着きます
季節の移り変わりを感じる、少し暗く狭い所にいる時の落ち着きや静けさ、火を囲んだ時の暖かさ、杉や桧の匂いや手触り足触り、漆喰壁の空気感、木の窓から見える風景、縁側の日向ぼっこや夕涼み、瓦屋根の町並み、お寺のおおらかな屋根の下の安心感…。
こういったうれしい気持ちって、懐かしさだと思います。
また、「居心地いいなぁ」って感じることは、実は昔からそんなに変わってなくて、昔の建築に多く見出すことができます。長い時間や気候風土に耐えた智恵や良識に裏付けられたものを拠り所とすることは、一個人の思い付きのようなデザインからは得られない安心感があるように感じています。
5.気持ちを前向きにしてくれるうれしい居場所があり
新型コロナウィルスの緊急事態宣言の時、一番感じたこと。いつも元気ではないですよね。どんな心身の状態の時でも、やさしくゆったりと受け入れてくれる住まいで暮らしたいと思っています。住まいは、自分自身を取り戻し、そっと背中を押してくれるような、心の底からリラックスできる場所ではないかと思います。
住まいは澄まいでありたいと思います。
6.ひとつ屋根の下の安心感
子どもが描く家は、決まって三角屋根を持つ”ひとつ屋根の下”の家。
誰の心にも伝わる家の原型、心の奥の記憶を呼び起こすようなものかもしれません。
大らかな屋根の下、家族が分け隔てなく暮らす家。けんかをしてもなんとなく気になる、家族の繋がりが感じられる家。どこにいても笑い声が聞こえ、家族の気配がそれとなく伝わる家です。
大きく枝を広げた樹の下にいるような、安心感ある住まいです。
7.暮らしの中で季節を感じると時間がゆっくり流れます
” 外”と素敵な関係が築けると、暮らしはずっと豊かになります。
昔の住まいは実にうまく身近な自然を採りこんでいました。夏は陽射しを遮り心地よい風を住まいに採りこみ、冬は心地よい日差しを採りこんでいました。縁側の日向ぼっこ、風にゆれる枝葉をふっと眺めるだけでも違います。
日々の暮らしに、自然が関わるようにすること。刻々と変わる四季の変化を、移し込む住まいを提案していきます。
8.毎日の暮らしが楽しい間取りと機能
朝昼晩、春夏秋冬、365日、朝起きて、窓を開け、顔を洗い、テーブルを囲む…。そういった毎日の小さな行為が、スムーズに、自然に、心地よく導かれていくような住まいにすることを心掛けています。
よく「家事がラクになる動線」とか言われます。そういうことだけではなくて、朝、何気なく窓を開けて風を入れ、家族が自然に食卓に集まってくる。家事も気持ちよく行える。ここで昼寝をしたい、ここで本をみたい、ここでお茶をしたい、ここで勉強したい、といった家族の小さな居場所があるような、営み(暮らし)と器(住まい)がいい感じで馴染んだ住まいです。
9. “大丈夫”という 安心感をもたらす性能
住まいの大きな役割は、自然の脅威から人の命や暮らしを守ること。風雨や暑さ寒さから守るだけではなく、一年を通じて心地よく過ごすことができ、台風や地震などの時でも“大丈夫”という安心して居られる場所であることです。断熱気密性能や耐震性能等は意図した数値を確保したうえで、建築的な工夫を施して、心地よさと安心感をもたらします。
10. おおらかで普段着の暮らしができる住まい
背伸びをしたり、誰かをまねたり、展示場から選ぶような家ではなく、あくまでも等身大の生活にあった、家族が楽しく、気持ちよく暮らせる“我が家”であってほしいと思っています。ホテルライクもいいですが、毎日だと疲れてしまいそう。それには「これまでの暮らし」や「すでにあるもの」を大切にすることから始めることで、自分らしさや家族らしさを大切にしていくことに繋がっているように思います。身体だけではなく、心が落ち着く、健やかな住まいになっていくのではないかと思っています。
住まいを白いご飯に例えた人がいます。
どちらも日本人の生活にとってなくはならないもの。毎日、おかずは変わりますがベースとなるご飯は変わりません。ご飯はいつもおかずを引き立ててくれます。住まいもおかずのように毎日変えることはできません。住まいも、ご飯のように何十年も飽きのこない安定した暮らしのベースになるようにすることが望ましいのではないかと。
白いご飯は一見、見た目の違いはありません。そういえばご飯をよそる茶碗の形や大きさも大きな違いはないですね。けれど、味やその質には大きな違いがあります。住まいも目に見える形やデザインにこだわるのではなく、目には見えにくい“本質(暮らし)”にこだわるようにしていきたい。家を暮らしが詰まった本当の“住まい”になるような設計をして行きたいと思います。
