木の建築

設計の中心にすえているのは住宅ですが、住宅以外の用途の建築設計も手掛けています。
住宅設計がしっかりしていれば、どんな用途の建築設計もスムーズに対応できると考えています。

それは住宅設計がすべての建築の基本といわれ、
「暮らす人」と「住まい」が直接的で誤魔化しがきかないからです。
「働く人」と「建築」
「お客さま」と「お店」
「お参りする人」と「お寺」…
住宅設計と同じように直接的に設計を進めていけます。
住宅設計の気持ちで考える心地よい関係が住宅以外の建築を考えるうえでも大切と考えています。

 

歴史ある寺院の庫裏客殿計画

古くから在るお寺に行って感じるのは、どのお寺の建物も「動かない」ということです。
動じない、どっしりしていて、ただそこに「在る」という感じですが、どこか守られているような、包まれている安心感があります。
それはお寺の建物が一時の思い付きや人の欲などから作られていないからで、何百年もの間、雨風や日差しから人や仏様を「守る」という、建物の役割を担う姿だからです。人が大樹や山並みをみてホッとするのに似ています。
「動かない」姿は逆に人の心を動かします。お寺で過ごす亡くなった方を偲ぶ時間は、日々のせわしない時間とは違った、とてもゆったりした「もう一つの」時間が流れているように思います。
自然の中に身を置いた時に感じる、おだやかで心休まる安心の時間です。
新たに建てられる建築にもこの「動かない」建築と「もう一つの」時間を併せ持つように計画しました。

かつての美しい町並みを手掛かりに計画した分譲住宅

50年前の町並みと現代の町並み、同じ場所。
50年前の町並みの家の形は似ていますが、同じ家ではなく、同じことを楽しむように調和しています。
美しい町並みをもたらしているのは、太陽の恵みを皆で共有できるよう、お日様におじぎをするかのように深く軒を下げた、切妻屋根を掛けていることです。
さらに、間取りに共通した型があり、暮らしの中心は1階で、年を取ったり、障害を持つようになっても住み継ぐことができました。

軒を深く出し、縁側のような「外と内をつなぐ場所」を設け、開口部を「開けたり閉めたり」しながら、障子や簀戸を季節ごとに入れ替えるなど、自然風土と付き合う工夫がたくさんありました。元祖パッシブデザインです。
それはご近所付き合いにも表れていて、お互い様おかげ様があり、現代の住宅の高気密高断熱やセキュリティなどで閉じていく家づくりとは違う、豊かさがありました。

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